1.AMYアイソザイムとは何か
AMY(Amylase)は、デンプンを加水分解する消化酵素です。唾液腺と膵臓において産生され、血液中に逸脱し、尿に排泄されます。AMYには、膵臓由来のP型(Pancreas)と唾液腺由来のS型(Salivary gland)の2つのアイソザイムが存在します。
2.AMYアイソザイムの特徴
| P型(膵型) | 膵臓に特異的に存在 |
| S型(唾液腺型) | 主に唾液腺、他に卵巣や肺などに存在 |
血清中の総アミラーゼ値が高値を示した際、AMYアイソザイムを調べることで、S型由来かP型由来かを調べることができます。
3.電気泳動によってどう分析されるか
血清または尿を用いた電気泳動法により、アイソザイムの電荷の違いを利用して分離します。陽極側にS型、陰極側にP型が出現します。AMYは、体内で血中を巡る間に、あるいは採血後の保存中に、脱アミド化し、陰性荷電が増し、陽極側に新たなマイナーバンドを規則的に複数形成します。P型、S型それぞれ陰極側から陽極側に向かって、「P1, P2, P3…」「S1, S2, S3…」と命名され、陰極側から、P1、P2、S1、P3、S2、P4、S3 順に泳動されます。健常人ではP1、P2、S1、S2が出現します。泳動後、デンシトメーターで各アイソザイムの構成比率(%)を算出します。免疫グロブリンと結合したマクロアミラーゼが存在すると、テーリング像やブロードバンドなどマクロアミラーゼ特有のパターンを示します。
4. 臨床的にどう解釈されるか
| P型の上昇 | 急性膵炎(発症早期に著増)、慢性膵炎の急性増悪期、膵癌など |
| P型の低下 | 慢性膵炎の非代償期、膵管閉塞など |
| S型の上昇 | 流行性耳下腺炎、術後、身体的ショック(外傷・ストレス)、肺癌・卵巣癌・骨髄腫など |
| マクロアミラーゼの出現 | マクロアミラーゼ血症 |
免疫グロブリンと結合したアミラーゼが高分子化し、腎臓から排泄されずに血中で長く滞留するため高値を示します。病態との関連の報告例はなく、マクロアミラーゼを原因とする高アミラーゼ血症の治療の必要はないと考えられています。
AMYアイソザイム検査は、AMY活性高値が膵臓由来なのか唾液腺由来を判別し、急性膵炎等の診断の一部やマクロアミラーゼの検出に使われています。
最終更新日:2026.10.02