リポ蛋白分画の検査・分析

1.リポ蛋白分画とは何か

脂質は疎水性であるため、血中では蛋白質と結合した親水性のリポ蛋白として存在しています。リポ蛋白は球状の粒子で、コレステロールエステル(CH)とトリグリセライド(TG)が中心に存在し、その周りを遊離コレステロールとリン脂質が囲み、その表面にアポ蛋白が結合した構造になっています。
リポ蛋白分画は、物理的・化学的特性の違いに基づいてリポ蛋白を分離し、脂質の状態を調べる検査です。

2.リポ蛋白分画の特徴

リポ蛋白は超遠心法での分類が基本になっており、比重の低いものから、カイロミクロン(CM)、超低比重リポ蛋白(VLDL)、低比重リポ蛋白(LDL)、高比重リポ蛋白(HDL)の主に4つに分類されます。

 比重粒子径TG比率蛋白比率
CM0.95以下75nm以上約85%約2%
VLDL0.96~1.01930~80nm約55%約8%
LDL1.019~1.06320~30nm約10%約23%
HDL1.063~1.2107~10nm約5%約42%

比重が高くなるに従って、粒子サイズが小さくなり、TGの割合が減り、蛋白質の割合が増えます。

CMは腸管から吸収された食事由来の外因性TGを多く含み、胸管より血中に出現します。VLDLは肝臓で合成され、内因性TGを主に運びます。LDLはVLDLから代謝され、CHを多く含み、組織に運びます。CHは細胞膜の構成成分やホルモンの原料となります。HDLは肝臓や小腸で合成され、組織から余剰のCHを引き抜き、肝臓に逆転送します。

3.電気泳動によってどう分析されるか

リポ蛋白分画パターン例リポ蛋白分画は、リポ蛋白の表面電荷の違いを利用して分離します。
血清蛋白の電気泳動パターンに対応させて、陽極側から、α位にHDLが、preβ位にVLDLが、β位にLDLが、preβ位から原点にかけてCMが泳動されます。
陽極側から、αリポ蛋白(HDL)、preβリポ蛋白(VLDL)、βリポ蛋白(LDL)、原点(CM)に分画します。脂質染色を行い、デンシトメーターで各分画の波形パターンを形成し、分画値(%)を算出します。
その他に、ミッドバンドやLipo-X、スローαなどの異常リポ蛋白を、異常分画として検出することができます。

4. 臨床的にどう解釈されるか

脂質スクリーニング検査で高脂血症が認められた場合、どのリポ蛋白に異常があるかを知るために、リポ蛋白分画測定を行います。リポ蛋白分画測定を行うことによって、WHO分類に基づく高脂血症の表現型(Ⅰ型、Ⅱa型、Ⅱb型、Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅴ型)分類を行うことがでます。

型分類増加するリポ蛋白病態
Ⅰ型CM高CM血症
Ⅱa型LDL(βリポ蛋白) 高βリポ蛋白血症/高CH血症
Ⅱb型VLDL+LDL(preβリポ蛋白+βリポ蛋白) 高preβ・高βリポ蛋白血症/複合型高脂血症
Ⅲ型ブロードβ(異常βリポ蛋白) ブロードβリポ蛋白血症/異常βリポ蛋白血症
Ⅳ型VLDL(preβリポ蛋白) 高preβリポ蛋白血症/内因性高TG血症
Ⅴ型CM+VLDL(preβリポ蛋白)高CM・高preβリポ蛋白血症/高CM・高VLDL血症
-HDL (αリポ蛋白) 高αリポ蛋白血症/高HDL-CH血症

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最終更新日:2026.10.02

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